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きものというもの
和針の素晴らしさはきもので発揮されます。
きものには大きく分けて反物と絵羽物があります。反物は付け下げや小紋、色無地などです。巻かれた状態で売られていて、選ぶときは肩に掛けるなどして顔映りを見ます。
一方の絵羽物は、きもの全体で一つの絵を表現しているので、選ぶには、きものの形になっている必要があります。 さかのぼって、模様を付けるためにも先ず、白いのままの生地をきものの形に縫わなくてはなりません。 きものづくりには多くの人手がかかるものですが、とくに絵羽物は工程が細かく分かれ「縫う」「解く」が繰り返されるきものです。
さて、呉服問屋さん(呉服売り場)できものを買うと、からだの寸法を測り「お仕立て」がされます。 このお仕立ては、きものをつくる職人さんとは別に、専門の仕立て屋さんがするもので、ふつうは呉服屋さんが持ち込んで依頼します。 着るための仕立てなので、当然ながら下絵羽や仮絵羽とは異なる仕事があります。
買う人にとっては、きものはきもの。ひとつの仕事に見えるものですが、「きものをつくる針仕事」と「きものを仕立てる針仕事」は、それぞれの職人さんによって、きわめて高度な技術でなされているのです。
きものには大きく分けて反物と絵羽物があります。反物は付け下げや小紋、色無地などです。巻かれた状態で売られていて、選ぶときは肩に掛けるなどして顔映りを見ます。
一方の絵羽物は、きもの全体で一つの絵を表現しているので、選ぶには、きものの形になっている必要があります。 さかのぼって、模様を付けるためにも先ず、白いのままの生地をきものの形に縫わなくてはなりません。 きものづくりには多くの人手がかかるものですが、とくに絵羽物は工程が細かく分かれ「縫う」「解く」が繰り返されるきものです。
さて、呉服問屋さん(呉服売り場)できものを買うと、からだの寸法を測り「お仕立て」がされます。 このお仕立ては、きものをつくる職人さんとは別に、専門の仕立て屋さんがするもので、ふつうは呉服屋さんが持ち込んで依頼します。 着るための仕立てなので、当然ながら下絵羽や仮絵羽とは異なる仕事があります。
買う人にとっては、きものはきもの。ひとつの仕事に見えるものですが、「きものをつくる針仕事」と「きものを仕立てる針仕事」は、それぞれの職人さんによって、きわめて高度な技術でなされているのです。
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きものを仕立てるということ
わずか針一本できものは縫い上がります。
1枚のきものを縫うのに、だいたい40メートルの糸を使います。 40メートルというと、お店に並ぶ一般的な手縫い糸(厚紙に巻かれている)1巻の長さ。 立て続けに手で縫うには相当の距離です。
縫っていて疲れない針でなければなりません。 針の硬さ、布への通り具合。わずかの差が、40メートルの間に大きな違いを生みます。 また途中の糸切れも能率を下げる一因。 まさに和針が本領を発揮するところです。
意外なのは、使う種類のこと。 きものの仕立てでは部位によって「地縫い」「くけ」「綴じ」などの縫い方があります。 いかにもいろいろな針を使いそうに思えますが、最初から最後まで、ほぼ1本の針だけで縫えるというのです。
それは直線縫いが中心であること、縫い合わせる厚みは、たいてい布2枚分と決まっていることによります。 絹用の太さであれば、針の長さは各人の好みで選ぶだけで、中でも小回りの利く短い針、「四ノ一」という長さ3センチほどの絹針を使う人が多いようです。
きものはよく「合理的」といわれます。
それは往々にして着こなしや収納性に言及するものですが、このように仕立てにおいてもきわめて合理的な衣服で、和針の構造と同様、先人たちの知恵の結晶なのです。
昔は家で、自分たちのきものを縫いました。 針が貴重だったこともあり、複雑な道具立てをせずとも縫い上がるよう、工夫がなされたのです。 きものが日常着だった時代は、夏が終わると解いて洗い 、巻いて仕舞いました。 そして同様にして仕舞ってあった冬のきものを取り出し、あらためて仕立てて着たのです。 その当時、プロの仕立て屋さんは、宿賃を払う代わりにも「仕立てるものはないか」と聞いたそうです。 腕に自信があれば、懐に針1本あれば旅が出来た、ということでしょう。
和針ときもの、そこでの針仕事は、まさに三位一体となって、日本の道具文化と衣文化、職人技とを育て上げてきたのです。
1枚のきものを縫うのに、だいたい40メートルの糸を使います。 40メートルというと、お店に並ぶ一般的な手縫い糸(厚紙に巻かれている)1巻の長さ。 立て続けに手で縫うには相当の距離です。
縫っていて疲れない針でなければなりません。 針の硬さ、布への通り具合。わずかの差が、40メートルの間に大きな違いを生みます。 また途中の糸切れも能率を下げる一因。 まさに和針が本領を発揮するところです。
意外なのは、使う種類のこと。 きものの仕立てでは部位によって「地縫い」「くけ」「綴じ」などの縫い方があります。 いかにもいろいろな針を使いそうに思えますが、最初から最後まで、ほぼ1本の針だけで縫えるというのです。
それは直線縫いが中心であること、縫い合わせる厚みは、たいてい布2枚分と決まっていることによります。 絹用の太さであれば、針の長さは各人の好みで選ぶだけで、中でも小回りの利く短い針、「四ノ一」という長さ3センチほどの絹針を使う人が多いようです。
きものはよく「合理的」といわれます。
それは往々にして着こなしや収納性に言及するものですが、このように仕立てにおいてもきわめて合理的な衣服で、和針の構造と同様、先人たちの知恵の結晶なのです。
昔は家で、自分たちのきものを縫いました。 針が貴重だったこともあり、複雑な道具立てをせずとも縫い上がるよう、工夫がなされたのです。 きものが日常着だった時代は、夏が終わると解いて洗い 、巻いて仕舞いました。 そして同様にして仕舞ってあった冬のきものを取り出し、あらためて仕立てて着たのです。 その当時、プロの仕立て屋さんは、宿賃を払う代わりにも「仕立てるものはないか」と聞いたそうです。 腕に自信があれば、懐に針1本あれば旅が出来た、ということでしょう。
和針ときもの、そこでの針仕事は、まさに三位一体となって、日本の道具文化と衣文化、職人技とを育て上げてきたのです。
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ふでばこ14号 特集「針仕事より」
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